1/6ページ目 一位 Γさん 伊藤 [シュール系ギャグ] 思わず視線を逸らした―――― だって、こんな朝っぱら。 登校の為に電車の座席に腰掛けてて。 目の前の吊革に掴まった者が。 どうみても妖精で。 しかも ハゲ散らした ぽっちゃり オッサン だった から 。 「…………」 気まずすぎて色んな意味でヤバすぎて、私は息を殺して自分の爪先を凝視する。 あれっ……私、昨日は比較的早く寝た。朝ご飯もキチンと摂った。だのに未だ寝ぼけているとでも?夢?夢ですか?それとも見違い?このイラッとくるぐらいピンクでファンシーなフェアリーさんはノンレム睡眠大脳が見せたファンタジー? 「おい」 うわ話しかけてきたよこれ私にか私になんですかうわわわわわでもこれ気のせいだと思うウンこれきっと気のせいだわこれきっとアハハハハな〜んだハッハー気のせいか。 「そこのセーラー服」 そこのセーラー服? ………。 私のお召し物は確かにセーラー服……だが、現代日本に於いてセーラー服なんてモノは別段珍しいモノでもないと思うつまり何が言いたいかというと今の言葉は多分きっと私の周辺に居るであろうセーラー服のコに話しかけているんだろう。 「おい何を無視しとるか」 …………。 そーっと周りを見てみた。 セーラー服は私だけだったし、 コッソリ窺ったフェアリーオッサンのファンタスティックなピンクのくるくる羽付きブーツは明らかにこちらに爪先を向けていた。 こ れ は 。 私なのか。 私だと言うのか。 馬鹿な……… 「……………はい……?」 恐る恐る顔を上げてみた。フェアリーなオッサンの顔がこっちを向いている………そしてここでやっとこさ思ったのだが、何故周囲の人はああも冷静にこのファンタスティックをスルーしているのだろう。クールすぎだぜエブリバディ。それとも私の脳味噌がオカシイのか。 「お前――――」 なんて事を考えている内に、怒りを含んだ顔のフェアリーさんがドスの利いた声で言った。わ、私なんかしたか確かに超次元すぎて目は逸らしたけれどもそんなに怒るのかそんなんで。 私がビクビクしていると、不意にフェアリーオッサンが手をズイッと伸ばしてきた! や、殺 ラ レ ル ――――!!! 「――――フェアリーハンターだな!!!」 ガシッ! 「!!?」 フェアリーオッサンが掴んだのは、私の隣――――セーラー服のオッサンの喉頸だった!あれーっこんなんさっきまで居たっけな!!?つかキモッ!!すげぇムキムキのガチムチだし!!! 「グッフ!!チッ――――バレてしまったか!フェアリーハンター木本、一生の不覚ッ」 「チッチッチッ……このフェアリー伊藤のギャラクティカドライアイに見破れんモノは無いさ、フェアリーハンター木本よ」 ちょ―――― ツッコミ所が多いってレヴェルじゃねーぞ!! えっやっぱ妖精だったんだ!つかフェアリー伊藤!?フェアリーハンター木本!!?ギャラクティカドライアイって……いやただの乾燥気味な目玉じゃないか!!目薬しろよオッサンめ!何で乗客さん皆スルーしてるのクールすぎだぜマジで!!あと“チッチッチッ”なんか言う奴初めて生で見たわオッサンめ!!オッサンめ!!!オッサン共め!!!! 「さあ観念しろフェアリーハンター木本!!フェアリーアイランドの豚箱に叩き込んでやる最低のゲス野郎め!!」 「クックックッ……笑止。お前如きに出来るかな?」 「何を!!………ハッ!コレは……」 「そう――――残像だ。」 「何ィッ」 なんか凄く説明しにくいが要するにいつの間にかフェアリーハンター木本(セーラー服のムキムキオッサン)がフェアリー伊藤(ファンタスティックなハゲ散らかしたオッサン)の背後に回り込んでいた。 「い、いつの間にッ」 「ふはははは身の程を思い知るがいい!!」 「ぐわぁあああああ〜!」 分かり易く説明すれば、木本(ムキムキ)が伊藤(ファンタスティック)を黒魔法的なモノでやっつけた。伊藤(オッサン)はバサッと倒れた。木本(オッサン)はニヤッと笑ってオッサン(伊藤)をロープでぐるぐる巻きにすると背中に担いでしまった。 「フッフッフッ……高く売れるぜ」 オッサン(木本)は何て事を呟いた。 うわ……つかフェアリー掴まっちゃったよハンターに……。………売るんだ……しかも高く売れるんだ………。 丁度その時、電車が駅に到着した。 フェアリー伊藤を担いだフェアリーハンター木本が開いたドアから出て行く。 そして、俄に振り返った。 私は慌てて視線を逸らした―――― 『了』 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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